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それでも、すべての責任が自分にあるとは思わない。
――お袋自身が弱すぎるからこうなったんだ。
親が死んでもなお、俺の頭は自分をよく見せることばかり考えている。
『ザマアミロ』
部屋の隅に突如現れた白い人間。半透明のそいつは、俺を指差し嘲笑う。
その者の声は小憎たらしい恭輔の声に酷似していて、ゲラゲラと下品な笑い方をする所もそっくりだ。
「死んだお前に言われたかねえよ」
それが恭輔だと決まった訳でもないのに、俺も笑いながら言い返す。
この時の俺は確信していたのだ。
“こいつは死んだ恭輔に違いない”
と。
幻覚か、それとも本物の幽霊か。
たとえ後者だとしても、相手はあの恭輔。
ぶん殴ってやりたい衝動に駆り立てられる。
『お前がいなければ、お前がいなければ――』
うーうーとうなり声をあげる恭輔が、徐々に迫ってくる。
突然浮かびあがる、血みどろの顔。死んだ直後の姿を思い出し、吐き気を催す。
「く、くく来んな!あっち行け!」
無我夢中で逃げ惑う俺。
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