第三章

17/21
前へ
/141ページ
次へ
 お袋が死んで困ったことは、自由な金が手に入らない事。小遣いはあるものの、少なすぎて到底足りやしない。 「母ちゃん、俺だよ俺。そ、ヒロシ」 なので、俺はアルバイトをすることにした。  年寄りを騙すだけの簡単なアルバイト。元締めは高松さんで、いつものメンバー全員で作業をこなしていく。  この事は兄貴には言っていない。言ってしまえば、ぶん殴られる事は目に見えているからだ。  どんどん振り込まれて来る大金。増えていく通帳残高に、高松さんは大笑い。 裏ルートで手にいれた通帳なので、ばれる前に金を下ろしてしまえば問題なし。 変装しておろしているので、捕まる心配もない。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

451人が本棚に入れています
本棚に追加