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赤い海に沈む親友は、ピクリとも動かなくなった。
太一の胸を突き刺すのは、銀色のバタフライナイフ。それを見た瞬間、身体が勝手に動き出す。
「高松うううう!!」
俺は、太一の胸からバタフライナイフを引き抜き、高松さんに飛びかかる。
ドザアア――
身構えていなかったため、高松さんが床の上に倒れた。この機を逃すまいと、すかさず彼の上に馬乗り。
「お前――やめろ!!」
高松さんは突然の事に驚きはしたものの、自分の上から俺を退かそうと必死に抵抗してくる。
時すでに遅し。
降り下ろしたナイフは、高松さんの右目貫く。
「いっ――ぎゃああああああ!!」
廃墟中に響く断末魔。悶え苦しむ高松さんの顔に何度も何度もナイフを突き刺す。
顔、顔、顔、腹、腹、腹、胸。
最初は抵抗していたものの、次第に動かなくなる手。ぶすり、ぶすりと突き刺していく内に、俺は妙な興奮を覚え始めた。
「あはははは、こいつ死んでやんの!」
刺せば刺すほど、強くなる爽快感。先程からずっと笑いが止まらない。
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