第一章 三部

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 恭輔はよくシンナーを吸っていた。  親が塗装屋を営んでいるため簡単に手に入るらしく、いつも小さなペットボトルにシンナーを入れて持ち歩いていたの俺は覚えている。  シンナーを吸っていたせいでこうなったのかは分からないが、骨を砕く手間が省ける為、後の作業がずいぶん楽だ。 とは言うものの、今度は灰を雑木林の中に散蒔(ばらま)くという作業が残っているので少々気だるい。  今、この場に残されているのは、俺と太一と良平君。そして、同じ学校の同級生二人の計5名。 その中で恭輔がすでに死んでしまっていることを知っているのは、俺と良平君だけだ。 「俺と晴輝で運ぶから、お前らはバケツに灰を入れてろ」  他の先輩達は帰っているため、必然的に良平君が指揮を取る。 「うっス」 バケツを運ぶのにもう二人欲しいところだが、逆らうわけにはいかず渋々了承。  渡されたショベルでバケツに灰を詰め込んでいく三人を羨むように見つつ、俺は両手にバケツを抱え雑木林まで歩いた。
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