第一章 一部

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「この腐った世の中を変えるのは、俺しかいねえわけよ」  つんと鼻に付く嫌な匂いが辺りに充満している。 訳の分からない事を唱えている高松さんが口にしているのは、紛れもなく薬物。 虚ろな目をした彼の口から、よどみなくよだれが垂れ流れている。  俺はこの時間が最高に嫌いだ。 何故なら、高松さんに薬物を使用することを強要されるからだ。 「んあっ……あんっ──」  それと、彼はよく女を連れ込む。 薬物でいい気分になっているのか無理矢理連れてこられた事を忘れ、淫らな格好で股を開いている女を見ていると、どうしようもない感情が胸を支配する。  女の結末はいつも同じ。 高松さんに飽きられた後、その場にいる全員に廻され、挙げ句の果てには適当な場所にポイ捨て。目を覚ました時に待っているのは、間違いなく『地獄』だ。  まあ、女がどうなろうが知ったことではない。 薬が回ってきたせいか、気分が良くテンションが高くなる。 「あっ──」 だから俺も、高松さん同様にその女を溜まった性欲の捌け口とした。
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