第二章 二部

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 俺が自宅に帰りついたのは、午前3時。いつもなら明かりが消えているはずなのだが、なぜか今日は台所の電気が点いていた。  それでも気にせずに中へ入ると、台所に居たであろう兄貴がドタバタと足音を立てて玄関に向かって走ってくる。 「晴輝!!」 目の前まで来た兄貴は俺の名を叫び、頬を思いっきり殴ってきた。 『ドンッ!!』と、ドアにぶつかる背中。殴られた頬がピリピリと痛む。 「何すんだよ!!」 何故殴られなければならないのか。それが分からずに、俺は頬を押さえ怒鳴り返す。 「お前、まだ高松なんかと連んでんのか!?」 「そんなの、兄貴に関係ねえだろ」 「なんだその口の聞き方!! お前くらすぞ(殴るぞ)!!」  興奮した兄貴は俺の胸ぐらを掴み上げ、また殴ってきそうな雰囲気。 兄貴はわりと短気で、口よりも先に手を出すような人間。 「俺が誰と連もうが、兄貴にとやかく言われる覚えはねえよ!!」 「お前──」 だから、何度も殴って来ることはすぐに予測出来た。
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