第二章 二部

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 始業式を明日に控えた夜。今日もまた、いつものように高松さんの集合がかかる。  学校に行ったことがないと自慢する彼に常識云々を説いても無駄。なにせ、自分を中心に物事を考える人だから、何を話しても話にすらならない。  だからといって、学校が好きなわけではない。むしろ、嫌いな方。 『何かの拍子に爆発しろ』 と、何度願ったことか。 「あーあ、誰か学校を爆破してくんねえかなぁ……」  廃墟の近くにある団地までエイプを走らせていると、後ろに乗った太一がポツリと呟いていた。  さすが友人、さすが親友。考える事は全く同じ。 「誰かって誰だよ?」 「どこかのマニア」 「そんな奴いねーだろ」 「あは、やっぱり?」 太一は“あはは”と声に出して笑っていたが、俺は『本当にそんな奴がいれば良いのに』と思う。  もし仮にそんな奴が実在したならば、俺は間違いなくそいつの家の前でこう言っているだろう。 『俺の学校よろしくお願いしまーす』 と。
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