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「今からおもしれえもん(もの)見せてやるよ」
溜まり場に着いたばかりの俺達に、変に笑顔な高松さんが言った。
「おもしれえもんってなんすか?」
「おもしれえもんって言ったら、おもしれえもんに決まってんだろ。━━ばかか」
同じ学校に通う同級生の男が高松さんに訊ねていたが、彼の返事は少しも答えになっていない。
独りよがりに陥る彼を前に、俺達はただ苦笑するばかり。
「ほら」
高松さんは携帯電話を素早く操作し、画面を此方に見せてきた。しかし、ここからでは何が書かれているのかさっぱり分からない。
「いや、見えない」
俺の気持ちを代弁してくれたのか、安藤さんは眉を潜めて横へ首を振る。
「そんなら、てめえ(お前)が動けよ」
「……ああ」
やはり、暴君は暴君。彼には『見せに行く』という優しさは持ち合わせていないようす。
けれど、その事は仲間内の中では誰もが知っている常識なので文句をいう奴はまずいない。
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