第二章 二部

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「……そうかよ」  一方の太一は、俺の言い方が気に入らなかったらしく、不機嫌な声をだすとタコのように口を尖らせた。 「こんな書き込みすんのは、地元の奴しか考えられねえ!!」  悪質な書き込みに憤慨した高松さんが大きな声を出す。  一体、どこの誰がこの有名な掲示板に書き込んでいるのだろうか。大勢の人が閲覧しているため、犯人を探し出すなど完全に不可能。 『地元のうざい奴を晒すスレ』 スレのタイトルからして、まともな人間でないということはすぐに分かる。 「しょうもねえ事書くらいなら、面と向かって言えっての」  待受画面へ戻した高松さんが鼻で笑う。  確かに彼の言う通り、この掲示板に書き込むくらいなら面と向かって言うべきだ。  だが、はたして掲示板(この)中に高松さんの目の前で文句を言えるような腹が座った奴などいるのだろうか。  もちろん、答えはNO。 直接言えないからこそ、掲示板に書き込んでいるに違いない。
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