第二章 二部

24/25
前へ
/141ページ
次へ
 ふと、俺はあることに気づく。  それは、下駄箱に書かれている俺の名前の下に『本間 マミ』と、赤い字で書かれていたのだ。 (冗談じゃねえ)  ここまで来ると、もはやストーカーの域を越える異常さ。 やはり、亡者よりも実在している生身の人間の方が怖いと、俺は痛感した。  結局、また振り出しに戻る。最悪な事に、今回は職員室ではなく生徒指導室に連行。 “自分はやっていない”と何度も訴えたが日頃の態度が悪いせいか信じてもらえず、重森は、 『正直に吐け』 の一点張り。  だから俺は言ってやった。 「どこの世界に、自分の下駄箱に猫の死体を入れる奴がいるんだよ。ちったあ考えろ、ばーか」 と。  さすがに最後の一言は余計だったかもしれない。しかし、言うべき事は言ってやったと、心は清々しい気分。 「…………」  案の定、重森はなにも言い返さずに唸るばかり。 『ざまあみろ』 と、心が歓喜の声を上げる
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

451人が本棚に入れています
本棚に追加