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叩き起こされて、気がついた。
瀬織は、テーブルに突っ伏して寝ていたらしい自分に気づいた。
それにしても、乱暴な起こし方だ。
叩いているのは、ドジコだ。
突っ立って、瀬織の方を見ずに、どこかを見ながら、瀬織の肩をバシバシ叩いている。
仙人の体のドジコの叩く力は、普通の人間なら、腫れ上がる強さだ。
瀬織は、文句を垂れた。
「なによ、起きたわよ、もっと優しく…」
部屋のみんなが、立ちつしていた。
リビングの入口付近に、視線がくぎ付けだ。
「ん?」
瀬織も、とろんとした目を向ける。
一気に酔いが冷めた。
立ち上がる。
「来たー!」
リビングの入口付近に、もやっと、なにかがいる。
にわにわ、と、輪郭がはっきりしてきた。
瀬織は、それに近づいて、叫ぶ。
「頑張れ!」
にゅわっというイメージで、肉体が現れた。
元の陣平の姿だ。
髪が伸びている。
肩くらいまである。
裸の肉体を見る限り、特に異常はない。
目が開いた。
そのまま、崩れ、倒れる。
それを瀬織は、抱き止めた。
「よしよし。
最初だから、無理せず慣らしなさい。」
まだ、よく動けないらしい。
ぐったりしている。
瀬織は、指示を出した。
「陣平の部屋に寝かす。
ドジコは、着替えの用意、
ナデシコは、冷えてない飲み水、
スラリは米本大臣に連絡、
あとは、ギャラリーとして、見ておきなさい。
特に、シズカ、仙人に最も近いあなたは、覚えておいた方が、いい。」
瀬織は、陣平を抱き上げると、2階に上がった。
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