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寝せた陣平は、少しずつ体の支配を取り戻している。
ようやく口が聞けるようになった。
「帰ってきたよー!
晩飯には、間に合った。
ここで感動のあまり、シズカはチュウしてくれるべき。」
シズカは、瀬織のとなりから、アカンベーをした。
「だいぶ遅刻。だから、おあずけ。」
瀬織は、ドジコに少し水を与えさせ、陣平の体をマッサージしながら、気の流れを整えた。
1時間ほどで、陣平は回復した。
ようやく起き上がる。
瀬織は、
「あとは、ラジオ体操でもすることね。」
と、下着を差し出した。
陣平は、下着をつけた。
新しい体に慣れたらしい。
ナデシコは、口に手を当てて、やや、言いにくいことを言った。
「陣平さん、あそこだけ、前より、やけに大きくなってませんか?」
瀬織は、うむ、と、うなずいた。
「私の胸と一緒で、前の体とは、少し異なる。
私だって、仙人になった少女のころから、こんなに大きいわけない。」
変化点は、そこより、性格の方にあった。
動けるようになると、陣平は、パンツ一丁で、リビングに降りた。
「ドジコ、飯食わせて、飯。
腹へった、
ような、そうでもないような?
あれ?」
晩飯の準備ができていたので、すぐに食事になった。
いくら食べても、さっぱり食べた気がしないので、陣平は、食べ続けている。
瀬織は、注意した。
「満腹にはならないから、無駄よ。」
「えー、困るな…」
瀬織は、しばらくは仙人の体についてレクチャーしないとならないと考える。
ドジコは、仙人の体だが、仙人ではない。
排泄はしないものの、気の溜まりかたで、感覚的には、お腹イッパイ、を感じる。
と言っても、食べ続けることもできるのだが。
同様に、瀬織も、溜まる気の感じかたを
用いて、満腹感を作り出している。
陣平は、まだそれはできてない。
瀬織は、
「おいおい満腹の感じかたも、教える。」
と、言うと、ウイスキーを口にした。
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