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陣平は、無邪気に喜んだ。
「やった、そこまで来れたかあ!」
「喜ぶのはまだ、早い。
お相撲が強くても、それだけじゃ…。
ここから、あなたがどんなタイプに化けるか、わからないんだから。」
陣平には、ぴんときた。
「ああ、姉さんは、ごり押し戦闘タイプだし、
お義母さんは、精神医療タイプだし、
そういうタイプのこと?」
瀬織は、まだ焼き魚の骨を丁寧にしゃぶっている。
「まあ、あれで、母さんも実際に戦えば、けっこうスゴいのよ。
戦闘に、向いてないけどね。
…
あたしだって、精神感応も多少は、できる。
でも、ああいうのは苦手だわ。
…
というように、得意な方面が個性により、突出してくる。」
「俺は、何に向いてるのかなあ。
ウフフ。」
自分のことなのに、他人事を楽しみにするように、陣平は微笑んでいた。
陣平は、食事を終わらせた。
手を合わせて、ごちそうさまを唱えた。
瀬織は、安心していない。
仙人になったものの、陣平の精神は不安定だ。
(まあ、それも楽しみと思えばいいわ。)
瀬織は、出来の悪い子供ほどかわいいと言う例えを思い出した。
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