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そーだな、お前。
地味っぽく、みつあみなんてしてるくせになんだか、派手でさぁ。
ぱっと見、高そうなネコに見えるから、タマとかペルシャネコのペロちゃんとか呼ぼうかな、なんて言い出した彼に叫んでた。
「ん、な無茶苦茶な!」
「だったら、名前を教えてくれねぇか?
お前が、自分の口から名前を教えてくれたなら。
どんなに変な名前だって、ちゃんと大切に呼んでやるから」
「う~~」
……このヒトに名前なんて教えていいのかしら……?
制服で、ドコの学校だかと学年がもう、判ってるし。
ついでに身元だってすぐ判るって言ってたけど……本当かな?
口を閉じたわたしに、神無崎さんはにやっと笑った。
「お、黙ったな。別にいいぜ、お前の名前は、タマ、決定。
タ~~マ、タマタマタマこれから、よろしく~~
タマタマタマ……マタ?
うぁ、なんかちょっとヒワイ~~
ペロちゃんの方がマシかな?
ぺ~~ロ、ペロペロ~
うぉ!?
こっちもなんとなく……」
「判った! 判りましたっ!
タマもペロもどっちも、イヤです!
わたしの名前は『理紗(りさ)』!
西園寺 理紗(さいおんじ りさ)って言います!!」
「な……西園寺、理紗だと!?」
今の今まで。
わたしをからかって遊んでいた神無崎さんが、名前を聞いた途端。
真剣な顔をして、素早く立ち上がった。
そして。
座ってた時は、気がつかなかったけど、背、高い~~なんて思う間もなく。
ずっと握ってたわたしの手首をぱ、と放して代わりに両肩をつかんだ。
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