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「……で。なんであんたは、裕也に声かけたんだ?
あいつ、私服だったし、顔、殴られてヤバかったろう?
怖く無かったのか?
……っていうか。
知らない男と関わり合いになるな、ってのはガキの頃から教えられてなかったか?」
「……うん、でも。神無崎さんずっと座り込んでたみたいだし。
立ち上がれないほど殴られてたなら、大変だなって」
「莫っ……迦!
殴られたってことは、そいつも誰かを殴ったかも知れないってことだろ!
アイツの態度と目つき。
殴られたら泣いて寝込むようなヤツに見えたか?
少しは自分の身の危険を察知しろよ!」
「でも、ほら。
困ってるんだったら、どんなひとでも、助けてあげないといけないかなぁ、って」
「……勘弁してくれ。
胃に穴が開きそうだ」
首を傾げるわたしに、宗樹はげっそりとした顔をした。
「裕也はいろんな意味で、猛獣だ。
……怖いぞ。
もし、ここら一帯で関わり合いになっちゃいけねぇランキング、なんてもんがあれば、よゆーで一位か、二位だ」
「か……神無崎さんって、宗樹のオトモダチなんじゃないの?
そんな風に、悪く言わなくても……」
「友達?
アイツのコトは、良く知ってるから言ってるんだ。
気にいらねぇヤツは、誰でもブン殴る。
それに、超~~女好きで、手が早いからな。
あんたみたいなお嬢さんなんて、あっという間に、ぱく、って食われちまうぜ?」
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