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ヒトヒトヒトヒトヒト……
大体黒い頭で、地味な制服やスーツを着たヒトビトが、どわっと電車を待ってる。
一応きちんと並んでるみたいだけど、ドコが最後尾なのか、もはや判らず。
ざっと辺りを見回してみればプラットホームの数も多くて!
わたし一人だったら、ここまで来れなかったかもしれない。
ひきっ、とひきつったわたしをちらっと見て、宗樹は、ふん、と鼻で息をついた。
「朝の通勤ラッシュをなめんなよ。
大変なのは、これからだ」
「……え?」
と、聞き返す間もなく、電車がホームに滑り込んで来て、それは起こった。
扉が開いた途端、大量の降りるヒト!
それが容赦なく、わたしの方に、やって来る。
きゃーー流される~~
と思った寸前、宗樹がわたしを引っ張ってくれた。
お次は、もっと多い乗り込む人々の群れ!
急いで乗り込む人々に突き飛ばされそうになると宗樹は、わたしを抱きしめるように庇って、そのまま乗り込んでくれた。
そして、身動きが取れない格好で、電車はゆっくり動きだす。
うう~~
狭い~~ 息苦しい~~
さっ……酸素~~
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