お嬢さまの初体験。

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 いや、本当はこの連結器近くに来て、落ち着いた途端に気がついたんだけど。  最初は何かの間違いかな? と思った。  回り中、ヒトが一杯でぎゅうぎゅう詰めだったし。  人ごみラッシュを出来るだけ避けるように、宗樹に抱きかかえられてても、どっかにぶつかるのは、仕方ないよね?  だから、おしりのあたりを撫でられた感じ。  誰かのカバンかどっかにぶつかっただけだ、と思ったんだ。  けれども、繰り返されるのは撫でられ感だけじゃなくっ……!  今! とうとうスカートが引っ張られた!  これは、確かにカバンや堅いモノではなく『手』だよね!?  宗樹がわたしを他のヒトや荷物から庇ってくれててぶつかった、ってことは無いかな?  ……だけども。  宗樹の手、一本は、わたしの肩。  も一つは、やっぱり肩に近い背中辺りに……ある!?  ちょっと、待ってよ!  じゃあ、わたしのスカートに触ったり、おしりを撫でてるの、ナニ?  ……こ、これはもしかすると世に言う『痴漢』とかって言うシロモノじゃぁ……  怖いよう。  考えたくない可能性に震える。  そ……そうじゅ……  声をかけようとして、言葉を呑みこんだ。  今、誰かがわたしのスカートを触ってる、なんて!  言えるワケ無いじゃない!  は……恥ずかしい……っ!
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