791人が本棚に入れています
本棚に追加
………
…
「くっそ~~ 自己嫌悪~~
本っ当に、俺、ナニやってるんだろ」
JRから君去津を通る私鉄に乗り換えると、そこはさっきと打って代わって空いていた。
ラッシュのさなか、さすがに座席に座れないけど、扉のすぐ隣にある手すりは、わたし達二人だけでゆっくり占領できる。
けれども宗樹は隅の手すりに近寄りもせず、今閉まったばかりの扉に手をついて、がっくりとうなだれてた。
さっき、わたしのおしりを触って宗樹に手首を掴まれたあの『フトドキモノ』の正体を知ってから。
『世界の終わり』を明日に控えました~~みたいなため息を何度もついていた。
「よもや、この俺が小学生(ガキ)相手に全力で怒った、なんて。
大人げねぇ~~」
そうなんだ。
わたしのおしりを触ってた手を人ごみから引っ張り出してみれば、そこには、ど~~見ても小学生。
低学年ぐらいの男の子が、いた。
どうやら、ラッシュの電車に乗ったのは良いけど、今日は、特別混んでたみたい。
いつも捕まるはずの手すりに届かず、人ごみに流され。最初に流れついた先が、わたしの真後ろだった。
わたしのおしりが邪魔だなぁ、と押してみたり。
改めて、人ごみに流されそうになって、思わずつかんだスカートを引っ張った結果が、痴漢騒ぎ(コレ)だと。
最初のコメントを投稿しよう!