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君去津高校は、普通の進学校に近い公立高校だ。
髪の毛の色を変えたり、アクセサリーの類いの持ち込みは、禁止だったはずじゃなかったっけ?
そう思いながら見るとはなしに、顔を確認した時だった。
驚いて、思わず「わぁ」とか言っちゃった。
このヒトも、イケメン。
顔、役者さんみたいに整っているんだけど……それは良いんだけど。
……ケンカした跡のような傷があったんだ。
きっ……君去津高のヒトってみんなイケメン?
ん、で、ケンカっ早いの……!?
昨日は、どっかでお祭りでもあったかなぁ?
びっくりしてあげた『わあ』の声に気がついたらしい。
彼は歌をやめて、こっちを見た。
その視線の元が……瞳が。
深い深い青色だってことに気がついて息をのむ。
「キレイ……海の色だ……!」
「……なに?」
うぁぁ……不機嫌~~
青い瞳が、わたしを睨んでる。
カラーコンタクトとかそういったモノでは、きっと絶対出せない。
とても素敵な瞳の色の感想を、あいさつも無しに言っちゃったのが、不味かったのかな?
それとも、歌を邪魔したのがいけなかったのか、な?
聞けばきっと『どっちも腹立つ』って返って来そう……聞かないけど!
顔の傷で、凄みをました上、瞳が青いからか、どうか。
何だか妙に迫力ある視線にたじたじと、後さずる。
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