お嬢さまは、地味子さま?

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 わたしに声をかけてくれた、コ。  ぴきっ、と顔を引きつらせたかと思うと。 「ごっ、ごきげんよーーって、言われちゃったーーーぃ!」と全速力で元いたグループに戻って行ってしまった。  わたしの方だって「まって~~」って追いかけようとしたんだけど。  その子が戻った先で。 「お嬢さま?」 「いや、お嬢さまにしては地味過ぎっしょ?」 「そもそも、本当のお嬢さまなら、こんな公立に通うわけないって、ふふふ~~」  みたいな、何だかイヤなくすくす笑いが聞こえて、あえなく撃沈。  仕方ないので、窓側の自分の席で頬杖ついて外見てた。  それから、心の中でぶちぶちとつぶやいてみる。  みなさま『ごきげんよう』についてなにかおっしゃってますけど!  これ、使い始めるとすごく『楽』なのでございますのよ。  朝も、帰りの挨拶も、この一言で済みますし!  それに『お嬢さまにしては地味』って。  今日び、真のセレブリティはブランドのロゴマークを表に出すような服の着方はしませんの。  ブランドモノとは名ばかりの、安物なポーチをこれ見よがしに机の上に置いておく方がお下品ですわ。  おほほほほ~~  ……てなことを言うために、わざわざ君去津に来たわけじゃ、ないんだけどなぁ。  最初の一歩でコケたら、残りの何もかもが全~~部失敗しそうで、ヤダ。    あ~~あ。  ……こんなはずじゃなかったんだけどなぁ。
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