お嬢さまは、地味子さま?

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 それで、歌えなくなっちゃったって、あの金髪の彼からきいたけど!? 「そ、それでスペード・エースってヒトどうなったんですか!?  まさか、亡くなったとか……言いませんよね?」  最悪な状態を想い浮かべたくなくて。  恐る恐る聞いたら、そのコはふるふると首を振った。 「死んだ、なんてそんな縁起の悪いこと言わないでよ!  生きてるわよ、もちろん!  ただ、治っても、声を出すのに特別なリハビリが必要で……今……えっと、専門の治療施設に通うために……だったかな? とにかく実家から出てるのよ。  君去津高からも、一時的に転校してるし。  Cards soldierのメンバーが在校しているうちに、帰って来られるか、どうか……だって」 「……それは、とても……心配、だね」 「うん。  だけど、今回はスペード・エース本人の希望もあって、新メンバーを入れるべく、代わりを探すんだって!  今は、みんなその話で盛り上がってる」 「そっか……」  せっかく自分のために歌を書いてくれたのに、スペード・エースは歌えなくなったんだ、って。  そして、代わりに新しい人が来る……のか。  まるで、今にも泣き出しそうに笑う、金髪の彼の顔が浮かんで、目を閉じた時だった。  彼女が、わたしの制服の袖をぐいぐい引っ張った。
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