791人が本棚に入れています
本棚に追加
「宗樹!! 神無崎さんっっ!!
あなたたち、そこで一体何を……!!」
思わず叫んだわたしの声を、宗樹はふぃ、と無視し。
神無崎さんは、げらげら笑うと、わたしに向かって投げキッスを贈ってよこした。
「学園アイドルのお仕事!
君去津Cards soldier、ダイヤモンド・キングの神無崎裕也たぁ、オレサマのことだぜ!
さっきは振ってくれたけど、歌聴いたら惚れるぜ、西園寺!」
「か……神無崎さんが、ダイヤモンド・キング!
じゃあ宗樹、クローバー・ジャック!?
宗樹って、バンドなんて組んでたんだ……!」
神無崎さんは真紅を基調にした何だか派手な布の束を右肩にかけ、宗樹は黒を左にかけている。
どうやら、その布をちゃんと着れば舞台衣装になるらしく……そして。
なによりその顔に、傷がない!
バンド用の下地メークですっかり酷い傷が隠れてた。
なんで、彼らが男子トイレなんて変な場所で、待ち合わせしてたかってこのメークをするため?
宗樹が自分たちに傷があるのをバラすなって言ってたのは、完璧に傷を隠す自信があったからに違いない。
そして、一緒に登校したくないとか、声をかけるなって意地悪を言ってたのは、とても数の多いみたいなCards soldierのファンから、わたしを守ろうとしてくれたの……かな?
最初のコメントを投稿しよう!