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新しい所に行くのはドキドキするけれど、ここは心機一転。
普通の公立高校に通って、普通に生活して、クラスメートか、せめて同学年に『本当の友達』を作って来ようかと思うの!
わたしは、心の中でうなづいて手をぎゅっと握りしめたのに。宗一郎ってば、まだ泣いてる。
「もう、爺の心配性!
別に独り暮らしさせて、とか言ってるわけじゃないでしょ?
ただ、学校に行って帰って来るだけよ?」
「……その、通う学校に問題があると申し上げてるのです!」
涙を拭いてる真っ白なハンカチの隙間から、爺の目がきらりん☆ と光ってわたしは思わずたじろいだ。
「君去津高校って、公立だけど毎年沢山有名大学にも受かる進学校だし!
スポーツ系のクラブのいくつかと、吹奏楽部は全国大会に出た、きちんとした学校でしょ?
何の問題があるって言うの?」
「……が、通ってるんですよ」
「え?」
「私の孫、藤原 宗樹(ふじわら そうじゅ)が、現在!
君去津高校二年二組に在席していると申し上げているのです!」
きた~~!
そう! これよ、これ!
わたしが数ある公立高校の中で君去津を選んだ理由、これなのよ!
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