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「なんだ、お前!
クローバー・ジャックの正体、知らなかったのか!?」
びっくりしているわたしに、神無崎さんは、一瞬きょとんとした顔をしたかと思うと、隣にいる宗樹をつついた。
「へぇ、宗樹も案外ヒトが悪りぃじゃん。
自分が他の女にモテまくりで、きゃーきゃー騒がれてるとこ、コイツに見られたくなかったのか?」
「ちげーよ! そんなんじゃねぇし!
もう、時間がねぇんだ! さっさと移動しねぇと……」
「うぉ~~ めずらし~~
宗樹でも、照れる事があるんだな~~
コイツは、本当に本命……」
「わーー、うるせえ、黙れ!」
からかう神無崎さんのセリフをもぎ取るように宗樹は怒鳴ると、かなり本気のパンチを、繰り出した。
それを、両手でぱしっと受け止め、神無崎さんが更に笑う。
「あははは、お~も~し~れぇ~!
おい、西園寺!
お前、部活決めるならさぁ、軽音部に来いよ!
このオレサマが、直々に大歓迎してやるぜ!」
「莫迦!
ぜってーーー来んなよ!」
来たら、コロス! とか物騒なセリフを言い放ち。
にやにや笑いが止まらないらしい、神無崎さんの首根っこをつかんで引っ張り退場する宗樹を、わたし呆然と眺めてた。
「な……なんだか、嵐が過ぎ去った後みたい……」
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