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いくら『頑張ってみよう』って思っても、さ。
本当に、全く初めてな所に一人でぽーーい、って飛びこんだら、とっても不安じゃない?
今まで、私立星条学園でずーーっとお世話になっていた関係上。
どっか遠くに転校しちゃった子以外、わたしの友達も知り合いも全員学園にしかいないのよねぇ。
だから、いつもお世話になっている爺、宗一郎のお孫さんが通っている高校なら、ちょっとは安心かなって思って。
ちょーっとレベル高い高校だったけど、受験、頑張ってみちゃったの。
あ、でも。
宗一郎のお孫さん……宗樹と会ったのは小さい頃の一、二回ぐらいで、最近全然会ってないし。
一番の目標が『普通の学校で、特別扱いされない』ってことだから、宗樹に何か頼ることなんて、ないはずだ。
よっぽどの、緊急事態が起こらない限り。
「……で、どーして宗樹と一緒の学校だと問題なの?」
わたしは安心なのにって首を傾げたら、爺は改めて出て来た涙をぐぃ、と拭いて言った。
「由緒正しい名門、西園寺家のご息女さまが、使用人である私の孫と机を並べるなんて、とんでもございません!
身分違いもはなはだしく、本当に申し訳なく……っ」
「……身分違いって、今何時代よ?
しかも、宗樹の方が先に入学したんだから、机を並べることもないわよね。
むしろ、わたしが先輩って呼ばなくちゃ……」
「ご勘弁くださいませ!」
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