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「Shit!(シット!)
それが本心だと思ってるのか、鈍感野郎!!」
と吐き捨てた蔵人さんの言葉に、神無崎さん、とうとうキレた。
目を剣呑に細め、手にしていたマイクをぽい、と投げ捨てたかと思うと、ひらりとステージから飛び降り唸る。
「この話は、昨日の夜!
お前と散々しただろーがよ!」
「納得出来るか! クソッタレ!」
金色の髪の蔵人さん、名字の『ライアンハート』そのもの。
まるで、怒ったライオンみたいだったけれど、神無崎さんの方だって、猛獣だった。
朝、駅で傷だらけのまま、ちらっと見せたその『怖さ』が、単なる『ちょっとした不機嫌』でしかないことがよ~~く判る。
一触即発って言うの?
しびれる緊張感で、止めるべき先生達も手が出せず。
二人は、あり得ないほど近寄って、今にも殴り合いを始めそうだった。
そんな状況に体育館がしん、と静まり返った時。
その、怖い二人の間に、割って入ったツワモノがいた。
神無崎さんの腕を自分の腕に絡めて引っ張ると。
開いた隙間に、自分の身体を押し込んで両手を広げ、簡単に二人の間を広げたんだ。
「は~~い、はい、ストップ。ここまで」
あまり緊張感のないその声に、二匹の獣が自分たちの喧嘩を邪魔する相手を、ぎろっと睨み。
……それが、誰かと判ったのか、両方とも少しだけ、肩を落とす。
「クローバー・ジャック」
「……宗樹」
そんな二人の様子を見て、君去津高の三匹めの獣は、今日、世界が終わるようなため息を深々とついた。
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