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爺は、青ざめて叫んだ。
「我が藤原家は、代々西園寺に仕える執事の家系です。
私は、本宅の執事頭としてこのお屋敷をお守りし。
息子の宗次は、お嬢さまのお父上、旦那さまの専属秘書としていつも海外までご同行させていただいております。
そして、孫の宗樹もしきたりにもれず、高校を卒業してから海外の大学を経て執事養成校に入ると言ってます。
そこで修行をし、一人前になることが出来れば、いづれ西園寺でお世話になることもありましょう。
が、現在は、何も知らないただの一般生徒でしかありません。
もし、万が一。
孫の宗樹がお嬢さまにご迷惑をかけることがございましたら、この宗一郎。
旦那さまにもご先祖さまにも、申し訳が立たず、死んでお詫びするしか……」
「……だから、いつの時代の話をしてるのよ。
爺のお孫さんが、わたしに迷惑をかけることなんて、あるわけないじゃない。
大丈夫よ!」
……むしろ、迷惑をかけるのって、こっちの方だったりして。
あんまり爺がさわぐから、心配性が移っちゃったみたい。
公立高校で、普通にできるかな? って頭をよぎった予感に、わたしはぶんぶんと首を振った。
大丈夫、わたしは出来る。
両手で、頬を挟むようにぱしぱしと叩いて気合いを入れると、メイドの田中さんに今日着る制服を出してもらって、爺を追い出しにかかった。
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