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「蔵人(くらうど)!」
「蔵人・ライアンハートだ! 帰って来やがった!」
「くそ……また、顔に傷なんて作って来やがって!
今度は、誰と喧嘩したんだ」
ざわ……っと騒がしくなったヒトビトに、ふん、と息をつき。
彼は土足で体育館に上がったかと思うと、ずかずかとステージ前まで歩いて来る。
「ライアンハート君!
君は、停学開け早々、何をしてるんだ……!」
「うるさい!!」
止める先生たちの呼びかけに、彼はガォン! と本物のライオンみたいに咆えて、ステージ上の神無崎さんをびしっと指差した。
「スペード・エースは死んで、ない!
必ず戻ると約束、した!
なのになぜ待て、ない!
新メンバーを入れて彼の帰る場所を、奪う!」
「待て、蔵人!」
宗樹の叫びを無視して蔵人さんは、ぎらりと更に神無崎さんを睨んだ。
「よりSoul(魂)と技術の高い者を選ぶ貴様のやり方は嫌いじゃ、無い!
でも、使えなくなった、ヤツ!
どうして簡単に捨てる、のか!」
「……簡単に捨てる気は、ねぇよ。
でも、スペード・エースは歌えなくなったんだ。
本人も、早く新しい仲間を探せ、と言っている」
……神無崎さん、大人の対応。
体育館に乗り込み、がんがん怒鳴る蔵人さんのペースに巻き込まれず、淡々と話してる……と思ったんだけど!
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