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まずは、涼を得ることを優先するとしたちる。気を持ち直して脚を進める。
―そんなとき、視界に何処かで見た覚えがあるような《うさぎ》が跳び込んだ。真夏の日差しを受けて煌めく金糸。こちらを捉えた光を受けて輝く海の瞳。
「ちるさん、お久しぶりです。こちらにいらしていたんですね。」
ちるに近づき見上げる少女の名前は、
「チュニカさん、お久しぶりですー。はい、お店のお客様へお届けものを運ぶために参りましたー。本当に暑いですねー。」
「そうですね。お店に入りませんか?何か食べたいものはありますか?」
チュニカは、ちるの言葉に頷いて屋根の下で話そうとし、リクエストを尋ねた。
「えっと、前にお客様から聞いたのですが、西国風あんみつ?、というのを食べてみたいでーす。」
「…西国風あんみつ、もしかしてパフェのことでしょうか?」
「確か、ガラスの器にいろいろな果物や生くりぃむなどを盛った華やかなものと聞きましたー。」
ちる話を思い出しながら説明する。チュニカはそれに合点がいったらしく頷いた。
「パフェですね。でもまずはご飯を食べましょう。」
二人はチュニカの案内でその場所を移動することになった。
*****
爽やかな水色と白を基調とした店内に周囲の人々と異なった服装の背の高い少女とうさぎの髪飾りを金色の髪に付けているかわいらしい少女が座っていた。
「では、ちるさんはこちらにいらしたのは初めてなんですね。」
「そうなんですー。この機会に西国風の衣装を学びたいと思っていまーす。」
「そうでしたか。私でよければ、ご案内しますよ?」
「いいんですかー?それは嬉しいでーす。あ!あとですね、くれぇぷというのも気になるんですー。」
「では、そちらもご案内しますね。」
彼女たちの会話は楽しげに続く。
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