3人が本棚に入れています
本棚に追加
…―カランッ
控えめに訪れをしらせる。外観にあった落ち着いた雰囲気の店内。六つあるテーブルは二つほど先客が居た。
「やぁ、チュニカちゃん。今日はお連れさんがいるようだね。」
身体に響く声をかけてきたのは四十は過ぎただろう男性だ。彼はカウンターからこちらにやってきた。
「こんにちは。西の王国は初めてだそうですからご案内をしているんです。」
チュニカは下から彼を見上げる。
「そうかい。ここを案内先に選んでもらえるとは光栄だね。」
大人の余裕を感じさせる微笑みだった。
「ちるさん、ここはゲームとお茶を同時に楽しめるお店なんです。」
「ドリンクは必ずワンオーダーはしてくれな。ゲームは好きにやってくれて構わない。」
見上げて説明するチュニカに続いて補足する男性。
「私はアールグレイをお願いします。」
「オーケー、アールグレイな。お嬢ちゃんはどうする?」
「よくわからないので、おすすめはありますかー?」
慣れたように注文するチュニカ。一方で勝手がわからなく困るちる。
「よし、俺のおまかせな。じゃあ好きに座っててな。」
片目をつぶってちるをみた彼はカウンターへ戻って行く。
「こちらに座りましょう。」
チュニカに連れられ、空いてるテーブルに着く。
「様々なゲーム、遊戯ができますが、どうしますか?」
「えっと、チュニカさんは普段何をなさっているんですかー?」
「私はチェスをすることが多いですね。」
「ちぇす?どんなものなんですかー?」
首をかしげたちる。
「東の将棋に似ています。やってみますか?」
「やってみたいでーす!」
チュニカがチェスの用意をしながらルールを説明する。それを気合いを入れた表情で真剣に聞くちる。そこに笑顔はなく闘志が秘められているようだった。
To be continued.
最初のコメントを投稿しよう!