夏歩き

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  …―カランッ  控えめに訪れをしらせる。外観にあった落ち着いた雰囲気の店内。六つあるテーブルは二つほど先客が居た。 「やぁ、チュニカちゃん。今日はお連れさんがいるようだね。」  身体に響く声をかけてきたのは四十は過ぎただろう男性だ。彼はカウンターからこちらにやってきた。 「こんにちは。西の王国は初めてだそうですからご案内をしているんです。」 チュニカは下から彼を見上げる。 「そうかい。ここを案内先に選んでもらえるとは光栄だね。」 大人の余裕を感じさせる微笑みだった。 「ちるさん、ここはゲームとお茶を同時に楽しめるお店なんです。」 「ドリンクは必ずワンオーダーはしてくれな。ゲームは好きにやってくれて構わない。」  見上げて説明するチュニカに続いて補足する男性。 「私はアールグレイをお願いします。」 「オーケー、アールグレイな。お嬢ちゃんはどうする?」 「よくわからないので、おすすめはありますかー?」  慣れたように注文するチュニカ。一方で勝手がわからなく困るちる。 「よし、俺のおまかせな。じゃあ好きに座っててな。」  片目をつぶってちるをみた彼はカウンターへ戻って行く。 「こちらに座りましょう。」 チュニカに連れられ、空いてるテーブルに着く。 「様々なゲーム、遊戯ができますが、どうしますか?」 「えっと、チュニカさんは普段何をなさっているんですかー?」 「私はチェスをすることが多いですね。」 「ちぇす?どんなものなんですかー?」 首をかしげたちる。 「東の将棋に似ています。やってみますか?」 「やってみたいでーす!」 チュニカがチェスの用意をしながらルールを説明する。それを気合いを入れた表情で真剣に聞くちる。そこに笑顔はなく闘志が秘められているようだった。 To be continued.
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