第1章 ログフォースの本質②~ 優真の心情~

3/5
前へ
/39ページ
次へ
それから、十分ほどして、優真が慌てて食堂へ走り込んで来た。 「ハァハァ……お待たせっ!」 走ってきたのか肩で息をし、手を膝についている。 そんな優真に、留奈は頬を膨らませて拗ねていた。 「優真…おそい……」 「ハァハァ……。ゴメンね……。 先生にお爺ちゃんの事、任せてたの……。 先生ったら……。私が向かおうとすると、質問するから振り切って来たんだ。」 優真は気づいていない様だが、拓也の大人気なさが地味に出ているように見える。 留奈は、少し呆れた様な表情で拓也を思った。 〝先生……。やっぱりロリコンなんじゃ……〟 当人の考えなど気にもせず、勝手な妄想を繰り広げしまい、思わず苦笑してしまう。 親のいない留奈にとって、親心と言う概念が理解できないのは、当然の事であった。 「どうしたの?」 「う……。なんでも無い…」 さすがの留奈も昨日の今日で学習したらしい。 首を激しく振るとにっこり笑ってごまかした。 「それより…行こう。」 「ん?うん……。」 腑に落ちなさそうに首を傾げる優真の手を引き、走り出す留奈。 なんとか誤魔化せたと胸を撫で下ろすのであった。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加