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「あっ。リーダー!
行って来ます!!!」
「留奈!!
出かけるのは言いけど殺しちゃダメよ!
」
「………。わかっている。」
「大丈夫ですよぉー。
私がーー。見張ってますからぁぁぁぁ。」
ギルドの出入り口階段付近で、由奈に挨拶を交わし、出口を飛び出す。
武器を持たずに走る留奈の体力とスピードは年相応の平均。
けして早いわけでもなく、持続するわけでもない。
その為か、ギルドを出てすぐの場所で息を切らし立ち止まる。
「ハァハァ……。」
「ハァハァ……。
ねぇ……。」
「ハァハァ……。ん?」
「ハァハァ……。能力……使わないの?ハァハァ……」
「ハァハァ……。うん……今日は……使わない……。
折角のお出かけ……だし……。」
何かけどられそうな気がして、優真と目を合わせる事が出来ない。
初めて誰かと行く調達。
〝できれば少しでも楽しい時間を長く感じていたい〟
そういった気持ちから、能力を使うことをためらっていた。
「じゃあ…ちょっとだけ。
内気功かけておくね。」
優真の手が、留奈の背中をそっと摩る。
すると、何やら暖かいものが体に流れ込んできて、体が軽くなって行くのを感じる。
「………。う!?
すごーい!!体が軽いよ!!」
「でしょ?留奈お姉ちゃんの体力を底上げ出来る様に気をいじったの。」
2、3回飛び跳ね、くるっと回ると照れ恥ずかしそうに口を濁す。
「優真。…えーと…その…ありがとう…」
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