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「う……ん……」
すると、優真はこちらをボーッとした表情で見つめ、曖昧な返事を返してくる。
不思議に思い、首を傾げ眼前まで近づくと優真は、火がついたかの様に顔を真っ赤に染めだした。
「う?……どうした?」
「なーっ!?なんでもないよぉー!?」
しまいには、顔を背けられてしまう始末。
より不思議な行動を取る優真の顔を必死に覗きこもうと試みる。
「う?うー?」
「ちょっと…見ないで!?」
必死にディフェンスしてくる優真を掻い潜り、覗き込んだ表情は、真っ赤になり動揺している様だった。
「なんだ?優真。
顔が赤い…熱でもあるのか?」
と、昔、風邪を引いた時に、由奈がしてくれた様に、優真の額に自分の額をくっつけてみる。
熱は無い様だ。
だが、優真はより真っ赤な顔で頭から煙まで吹きはじめた。
「はわっ!?はわわわっ!!?」
「うー!?本当に大丈夫!?」
「だっ!?大丈夫だよぉー!!」
と、留奈を突き放し、再び胸を押さえながら、背を向ける優真。
そんな姿を不思議に思いつつも、切りが無いので、その疑問は後回しにしようと考え、優真の手をつかむ。
「う?…熱は無さそうだから…
大丈夫なら、そろそろ行こう?」
「う…うん……。」
こうして、留奈に手を引っ張られ、2人はアトリモールへと向かうのであった。
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