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【僕の】
「うぃーっす、おはよー」
急に挨拶されて驚いた。
「お、おはよう…」
そう返すと少しはにかんで教室のほうに向かっていった。
彼は、クラスの人気者…とでもいうのか、そういう立ち位置にいる人である。
先生生徒共に信頼されている?人物だ。
普段は話さないのに、何故挨拶してきたのかは不明だ。
まぁどうせ、僕のことをからかっているのだろうと思い、その場を流した。
数時間後―昼休み
はっきり言ってしまうと、僕には友達と呼べる人がいない。
休み時間とかは本とか読んで過ごすタイプである。
今日もいつもどおり自分の机で食べようと思い、お弁当を広げようとした時、頭上から声が聞こえた。
「なぁ…もし良かったら、一緒に食べないか?」
朝の挨拶野郎だ。
「えっ…えっと……」
周りを見回してみる。が、どうやら取り巻きみたいな奴らはいない。
「別に…良いですけど……」
そう答えたら、俺の向かいの席の椅子に座り、体をこちらに向け、僕の机にお弁当を広げた。
なんだこいつ、図々しい奴だな、と思ったけど敢えて口には出さなかった。
「良かった、もしかしたら断られるんじゃないかとひやひやしていたよ」
ご飯を食べながら、ぽつぽつと会話と呼べるものをする。
どうやらこいつは宗佑というらしい。
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