#26 Outro

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「お、みはねちゃん、お疲れ!今日は早い入りだねぇ」 奥のデスクに座ってたジャージ姿の鮫島トレーナーが、椅子から上半身を反らしてあたしを見てにこやかに言った。 はあはあ息を切らしつつ、走って来たので、って答えてから。 あたしは手にしたスマホを呈して、 「哲太からメールです!」 って。 「おお!百瀬くんから!?何だって?」 声を上げ、椅子から立ち上がって鮫島さんはこっちに歩いてきた。 「先週ギプスが取れて、猛リハビリ中だって」 胸に手を当て、息を整えながら言うあたしに、 マジで!? っとまた上気した声を上げる鮫島さん。 「ンじゃ手術はうまく行ったんだな。猛リハビリかあ。百瀬くんらしいや。」 鮫島さんは首の後ろに手を置いて、だははと笑った。 「で、……秋にアンダーの育成リーグがあって、ベンチインめざしてるって」 「そうか!開催地はどこ?」 嬉しさに笑みをこらえきれずに、あたしは、 「東京です」 って元気に答えた。 「ってことは……帰ってくるの?百瀬くん」 あたしは頬を染めて頷いた。 「一時的ですけどね」 「そうかあ!んじゃみはねちゃん、それまでに百瀬くんのことケアできるよう、しっかり勉強しなきゃなー」 ん?ってあたしを覗いて白い歯で笑った鮫島さんに、あたしは、 「よろしくお願いします、師匠」 って頭を下げた。
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