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「ヘンタイはどっちだ、このスケベ野郎」
冗談半分みたいに、軽薄な笑みさえ含んだ、哲太の声が。
「……兄貴の目の前で妹にベタベタ触ってんじゃねーよ、クソ佐久」
少し後ろの植え込みの辺りから飛んできた。
小刻みに、足が震えてる。
立ってられなくなりそう。
……ダメだよ、みはね。
佐久田くんにばれちゃう。
……
哲太にも。
「フ……シスコンもそこまで来ると末期だな、モモ」
うるせー。
って返した哲太の声は、少し離れた距離から、背中で聞いてるせいなのか、弱々しく思った。
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