#17 月下の誓い

12/35
前へ
/557ページ
次へ
「じゃ今度、見せてみ」 「はあ!?バカじゃないの!?」 クククって笑う声が、心底可笑しそうで余計腹が立つ。 …… でもその苛立ちは膨らむことなくすぐ、冷えた悲しさに、変わる。 「…………ねえ」 「ん?」 「観に来る?……明日、都立大会」 …… キイ、キイ、と数回ペダルを漕ぐ音の後。 「無理だな。明日俺、デートあるし」 「……あー、そうですか。聞いたあたしがバカでした」 ますます声音に棘を乗せ、返したあたしに。
/557ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10192人が本棚に入れています
本棚に追加