#17 月下の誓い

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「ま、でも、佐久の宣言通り決勝まで行ったら観に行ってやってもいいかな」 「何その上から目線な感じ」 ムッとして投げたら、はは、と小さく笑った哲太。 「……佐久田くん、本気で優勝する気だよ?」 「そうみたいだな」 のんびり低音な声に、イライラが増す。 「分かってんの?…優勝したら、あたし」 「……」 「あげちゃうんだよ?佐久田くんに」 「……」 ねえ。 分かってんの? 哲太。 「全部あげちゃうんだよ?」 キ。 と小さくブレーキの音をさせて自転車が止まる。 「だから何。俺にどうにかしろってか」 凄味のある低い声。 あたしの八つ当たりが、哲太をイラつかせたんだと思う。
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