#17 月下の誓い

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こくり、と頷いて哲太は続けた。 「その時、お前はまだ生まれてなくてさ。真夜中なのに……でっかい腹してんのに、一番に駆けつけてくれたんだって」 光を降り注いでくる月を少し眩しそうに、目を細めてみながら。 「お袋、めちゃくちゃうれしかったって言ってた」 「……」 あたしはゆっくりとまた、月に視線を向けて。 そして哲太の真似して、ごろりと隣に寝そべった。 雑草がひんやりして気持ちいい。 大の字に腕を伸ばしたら、指先が哲太の肘に触れた。 …… 「…元気してるかなあ。お父さんとお母さん」 「楽しく餅でもついてんじゃない?…あそこで」 クスッと笑って、哲太がまん丸お月様を指さす。 「それはウサギでしょ?」 低めた声で言うと。 「だってみは、ウサギじゃん」 「ウサギじゃないもん」 「ウサギだろ?……意味もなくぴょんぴょん跳ねまわってるし。いつもオドオドしてテンパってるし。ちょっとしたことで怯えてプルプル震えるし、……すぐ泣くし」 む~っ! 「だからあ!泣くのとウサギとは関係ないってっ」 「さびしがり屋で、臆病で…柔らかくて……可愛いし」 「……」
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