#17 月下の誓い

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その時、 ピロロロロ~!! って。 静かで幸せな夜を突き破るみたいに。 あたしのスカートのポケットのスマホが、けたたましい音を立てて、音楽を奏でた。 哲太の腕の中でビクッと跳ね、慌てて目を開ける。 鳴り続けるスマホに手を伸ばしかけた時。 「!」 哲太の大きな手が、あたしの腕を強く掴んだ。 驚いて見上げた哲太は、見たこともないほど怖い顔をしていた。 「出んな」 「…… 」 派手派手しい音で、早く取れとばかりに主張し続けてる、それ。 「……出ないで」 「でも……」 「……」 鳴り止まない、着信音。
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