#17 月下の誓い
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「フ……」 涙に咽て、漏らした吐息に気付いて。 哲太がそっと顔を離した。 既にもう、電話は鳴りやんでいた。 「フッ……う……っ」 優麗な眼差しで、腕の中のあたしを見たまま。 すこし乱れた前髪を優しく指で梳いてくる哲太。 「…う、……や…だよぉ」 「……」 「哲太じゃなきゃ…やだ……よぉ」 「………」 あたし。 あたしは。 「哲太が……っ」
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