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「心配性だなー。じゃあ……万に一つで優勝しちまったら」
考えながら、ゆらっと宙を踊った、丸い茶色の瞳が。
くるりとあたしを見て、そして言った。
「そん時はまた、麻酔してやる」
っ!?
ま、麻酔っ
って……!
頭の中でその意味を辿り、カッと頬が温度を上げた。
悟られないように、慌てて背けて。
「な、……そ、そんなの全然意味ないじゃん!!」
「なんで。……いいだろ?先に俺とすれば」
にやりとおよそ不謹慎に笑う哲太に、
「哲太のバカ!!」
って、真っ赤になってどなってた。
「約束な」
「嫌!バカ哲!」
クスクス言ってる哲太の腕を突き放して、身体を起こした。
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