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◇
深夜にふと、目が覚めた。
暗がりの中、白い天井にぼんやり焦点を合わせる。
いつもはあんまり、目、覚まさない方なのに。
ふうっと溜息を吐いて、もそもそっとベッドの上の身体を起こした。
やっぱりあたし、かなり緊張してるのかも。
枕元に置いたスマホで時間を確かめた。
3時過ぎ……か。
メッセージアプリを開いて、最後に来た佐久田くんのトークを眺めた。
『明日はとりあえず、一勝決めるゼ!』
……
哲太のいない、城英高校男子バスケ部。
哲太が去ってから、一度もタイトルを手にしていない、城英高校男子バスケ部。
試合が終わるたび、
『やっぱ百瀬がいないとダメか、うちは』
って小声で呟いてた、亀井監督。
佐久田くんはずっと、悔しい想いをしてきたんだろうな。
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