#17 月下の誓い

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……固まったまま、すぐには動けなかった。 もちろん、そのメールが意味することなんて、全然分からなかったけど。 ただひどく、 ひどく胸がドキドキした。 あたしの知らない哲太の世界を、覗いてしまったような気がして。 見なかった方がよかったのかもしれないって。 一瞬だけそんな、焦るような気持ちが胸を過ぎって行ったのは覚えてる。 クアラルンプールって、どこだっけ…… ううん。 今は考えないでおこう。 起こさないように、あたしはそっと、哲太の肩から手を離した。 そのまま静かに後ずさりして。 そうっと、 そうっと、 ドアを出た。───
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