#19 Decision of wolf ...

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「お疲れ百瀬君。どうだい?インターバル終わった?」 隣のマシンルームから、専属トレーナーの鮫島さんが足取り軽く駆けてきた。 「はい。今2クール目終わったとこっす」 タオルで首元を拭いつつ答えると、鮫島さんは目を丸くした。 「え!?2クール!?早いなあ……どれ、ちょっと膝見せて?」 「ああ、はい」 鮫島さんがベンチ横に跪き、俺は左膝を伸ばし示した。 巻かれたサポーターを取り、俺の膝蓋骨に触れた鮫島さんは、だはは、と声を上げて笑った。 「おいおい、グラグラじゃんか。いじめ過ぎだよ~百瀬君……あ、でも凄いなあ」 鮫島さんが無骨な指で俺の脹脛の外側を圧しながら、くしゃっと笑った。 「いやー、いい感じに仕上がってるよ……腓腹筋なんてちょっと怖いくらいガッチガチ。なるほど、これで多少の膝のグラつきもカバーできるわけだな」 「鮫島さん」 タオルを首から外し、俺は声を改めた。 「ん?」 「……今週末うちのチーム、都立のファイナルなんです」 鮫島さんは、ああ、と呟き笑った。 「聞いてるよ?亀井監督から」
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