#19 Decision of wolf ...

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鮫島さんは立ち上がり、腰に手をやるとクスリと笑って話し出した。 「先週も亀井監督と飲みに行ってさ。凄い盛り上がってたよ。だけど次の決勝の相手は厳しいとかって?」 「……」 「今年に入ってまだ一度も勝ってないってぼやいてたよ。ははは」 「監督は愚痴っぽいすから」 返しながら再びサポーターを巻いて、そして俺は鮫島さんを見上げた。 「鮫島さん」 「お?」 「俺……」 ごくりと唾を飲み下し、眉間に力を入れる。 「出れないすか?」 「……」 「都立ファイナル。」 腰に当ててた腕をゆっくり戻し。 鮫島さんが顔つきを変えた。 「出たいの?」 胸の前で腕を組むと。 「……はい」 「そうか。ついに迷いを断ち切る気になったか」 「…… 」
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