栗見鳴舞殺人事件

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あっと、 ここで遂に出くわしてしまった。 スルー出来なかった。 親切にも新設された部室の廊下付近に転がる布巾みたいな、 腐ったボロ雑巾みてぇなそれは。 どうやら元々生きた人間だったらしき、原型をとどめていない死体を。 血溜まりに伏して黙り混むそれと目があった。 「三須くん…改めて訊くが、今章の題名を覚えているかい?」 「訊くな入宮… 覚えてるとも。 栗見鳴舞殺人事件。」 眼前に広がる惨劇。 惨澹たる有り様。 過激なる喜劇。 地に伏し、いっぱい血にまみれたるそれは 栗見鳴舞、なのだろう。 「おそいじゃないですかーせんぷふぁーい。」 死者は語る。 アテレコだが。
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