栗見鳴舞殺人事件

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奴の名は十叶内下手人(トガナイ ゲシュヒト) シテイル学園一年生。 いつも事件現場に巻き込まれる、罪無き咎人。 それが彼のキャラ設定だった。 そう言えば我らが探偵部の新加入メンバーだった。 「何でだ、何でお前が…十叶内!?」 騒ぎを聞きつけ暮荒知悪音と不知火が駆け付けて来た。 そう言えば確か、暮荒知悪音と十叶内下手人は十年来の親友だと聞いている。 火事で母を亡くし、住む家を失った十叶内は暮荒知兄妹と共同生活を送っているそうだ。 今思い出したが。 「さぁさぁ先輩、推理の時間ですよ!よろしくどうぞ!」 「無理だ!」 俺は即答する。 だってこれもう解くべき謎なんて残されてねぇもん。 だが、これだけは言わせてもらおう。 「それでも僕は推理ができない!!」
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