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「痛い!痛い!」
「いい加減、僕は裁かれたいんだ!」
「やめろ下手人!あの火事がお前を狂わせたのか!
これ以上罪を重ねるな!
行方不明の父親に会いたいんじゃないのか!!」
妹を痛めつけられた暮荒知悪音は何とか怒りを押さえつつ説得に努める。
「ああ!?
だから言ってんだろ、火事を起こしたのも僕だよ!
父さんは日常的に母さんを怒鳴って殴りつけていたんだ!
あの日、やつのタガが外れて母さんを包丁で刺した!
僕は悟ったんだ、もうこいつは駄目だと。油断した奴の後頭部をフライパンで殴って、奪い取った包丁で腹を何度も刺した!
サラダ油を床一面に撒いて家に火を点けて僕は逃げたんだ!」
「そんな…あれ全部お前がやったのか!
そんな無惨な犯行を小学生が一人で出来るものなのか!?
でも待てよ、父親の遺体は骨すらも見つからなかったって言ってたぞ!?」
「ヒック、ヒック…父親の遺体は私が運んだの。
焼け跡から掘り出して、今も家の床下に埋めてあるわ…。」
「不知火!お前何でそんな事を!」
「事件を未解決にさせる為よ!
警察は父親を犯人と思うでしょう!?
下手人君を、守りたかったの!!」
歪んだ、愛という名の執着。この女はこんな屑の為に知らぬ存ぜぬとひた隠しにして来たのか。
「不知火…お前、毎日土間に埋まってゲームしていたな。
あれはぐーたらしてたんじゃなくて、床下を探らせない為か!」
土間に埋めてる側の人間だった!
「お兄ちゃん、もう良いでしょう?下手人くんを、下手人を助けてあげて!?」
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