栗見鳴舞殺人事件

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それから、自警団が来て後処理を済ませてくれた。 跡形もなく消し去ってくれた。 任せてよかった。 栗見鳴舞と暮荒知不知火の残骸を処分し、 十叶内下手人を連行して去って行った。 彼は今回のみならず過去の余罪もある為、死刑か終身刑であろう。結果は追って沙汰があるというやつだ。 俺は後日、刑部軽蔑から奴の処遇を聞くのみだ。 「えぇ、お殿様と申しますと昔は英雄であり豪傑でありましたが、 天下大平御世ともなりますと別に英雄や豪傑である必要はなくなってまいります。 戦無き世にもなりますと御大名というのは子供がそのまんま大人になったようなもやしっこみたいに育てられますな。 さて、そこで次に御世継ぎの問題が出て参ります。 大奥美女三千人と言う言葉がございますが、起源は三代将軍家光の男色から気を逸らす為であったと伝えられております。」
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